最近オーストラリアへの家族移住を計画されている方が多いようで、直接メールを頂けてとても嬉しいです。家族移住を考えている方の中で最も多い質問が『オーストラリアの小学校についてもっと詳しく知りたい』『現地校の様子などが知りたい』など、皆さんよく小学校の質問をされてきます。
やはり家族移住を考えられているご家族はお子さんが小学生くらいの子が多いようですね。
今までにもオーストラリアの小学校のことについてはいろいろと書いてはきたのですが、今回は学年ごとに分けて、オーストラリアの小学生のことについて書いてみようと思います。オーストラリアに在住の方でもいまいち子供がどのような事を学んでいるのか把握していない方への参考になれば嬉しいです。また合間、合間にナップラン(全国学力テスト)それから私立小学校に興味がある方もいるかもしれないので、書いてみようと思います。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ビクトリア州の公立小学校
ビクトリア州の小学校は5歳(日本でいう年長さん)から始まります。
Fundation year (ファンデーション・イヤー)といいまたプレップと呼ばれたりもします。
なのでビクトリア州では小学校に7年間通うことになります。
また日本でいう義務教育はオーストラリアではYear 10までになっています。
小学校は4ターム制になっていて、タームが終わるごとにスクールホリデーがあります。
例えば2023年のタームカレンダーを見てみるとこのようになっています。
2023 | Start date | Season | Finish date | |
---|---|---|---|---|
Term 1 | 27 January (students start 30 January in government schools) | (夏) | 6 April | |
Term 2 | 24 April | (秋) | 23 June | |
Term 3 | 10 July | (冬) | 15 September | |
Term 4 | 2 October | (春) | 20 December |
オーストラリア移住を考えていらしゃるご家庭では、1月の ターム1(新学期)が始まるまでに移住をされるとお子さんの小学校スタートがスムースに始められますよ!
Prep Fundation Year (年長さん)
先ほども説明したようにビクトリアの小学校が始まるのは日本でいう年長さんに当たる年齢(5−6歳)です。
お子さんがプレップに上がる際、不安がる親御さんもいると思います。オーストラリアでは年齢を遅らせて入学させることも可能なので、
その場合は通われているキンダーの先生に相談されてみるといいですよ。
学習内容と特徴
基本的にはアルファベットの書き方やフォニックス(発音)などを学びます。また英語の細かなルールなどもこの時期に学びます。また読書の習慣をつけるようにしているのもプレップの特徴だと思います。簡単な足し算引き算、図形の形、読み方なども学びます。
プレップの時期はとにかくイベントがたくさんあります。
- 100days
小学校に通い始めて100日目に当たる日をお祝いします。 - teddybear picnics
自分の大好きなお人形を持って学校へ行くことができます。 - book week dress up
自分の好きな本のキャラクターのコスチュームを着て学校にいきます。 - alphabet day
自分の好きな/先生が選んだアルファベットのコスチュームを着て学校へいきます。
こちらはほんの一部になります!
コスチュームはKマートやビッグWなどで手頃な値段で購入することができるのですが、このイベントの時期はどこの学校も同じくらいの時期に行われるので、出来るだけ早めに購入されるといいですよ!
Grade 1 (1年生)
1年生になると、学校にも慣れてきて、また自分達より下の学年ができるので、ちょっとした自信もつくようです。
海外の学校特有のプレゼーンテーションを(show and tell)をよくやっていました。
show and tellとは
自分のお気に入りの物などを学校に持っていって、その物を見せながら説明をするプレゼンテーションです。その後、クラスのお友達からの質疑応答に答えるまで含まれています。
うちの娘はバレンタインに主人からもらったテディベアーを持っていっていました。
プレゼンテーションでは5W1Hを意識して話すように先生から言われているようでしたよ。
学習内容と特徴
1年生になるとSight Wordを覚え始めます。大体1年生の間で100個のサイトワードを覚えるようになってきます。サイトワードが読めるようになると、少しずつ自分達で本を読むことができるようになってきます。
特徴としては公立の小学校とくに低学年では宿題がほとんどないのですが、唯一あるとすれば、学校から借りてきている、それぞれの子供にあったレベルの本読みです。また、うちの子供たちが通う小学校では週に1回レベルにあったサイトワードシートを渡されて覚えてくるというものがありました。
Grade 2 (2年生)
1年生の時から大きく変わることが特にない2年生ですが、今までペアレンツヘルパー(子供たちのリーディング、ライティングのお手伝いをボランティアでできます)などが一気に減ってしまいます。
学習内容と特徴
2年生のオーストラリアのカリキュラムでは子供たちの自信を身につけさせることに重きを置いているようで特にLiteracy(読み書き)に力を入れているようです。2年生の終わり頃には文章を読むのもだいぶ早く流暢になっています。
算数の分野では4桁の数までの理解をはじめ、スキップカウンティングやオーストラリアのお金について学んだりもします。
オーストラリアの小学校の成績表
2年生までの紹介が終わったのでここで休憩にオーストラリアの小学校の通知表を見てみましょう!
オーストラリアでは成績表は年に4回タームが終わるごとに学校のアプリページからダウンロードしてみることができます。
ちなみに成績表のことはStudent Report もしくはStudent Progress Reportと言ったりもします。
ターム1、ターム3では英語と算数の成績だけ、
ターム2、ターム4では英語、算数だけでなく他の全てのサブジェクトの成績もでます。
こちらは以前私がインスタで成績表の見方について挙げたものです。
スライドすると成績表の見方が書いてあります。
日本の小学校のような5段階評価ではなくドットの位置で学年のレベルに対しての
Standard, Below, Aboveが表記されます。
今回載せていたのはターム3の成績表だったこともあり、英語と算数の評価のみのシンプルなものでしたが、ターム1、ターム2では担任の先生からのコメントだけではなく、他のサブジェクトの先生からのコメントもありますよ!
Grade 3(3年生)
3年生からは高学年に入ることもあり、SRC(Student Representative Council)
日本でいう学級委員/生徒会委員のような役割も始まります。このSRCは日本の委員会ほどしっかりしたものではないですが、行事の時などに先生に代わって司会進行を行なったりするようです。また勉強だけでなくInterschool Sports(スポーツの大会)などにも参加ができるようになっています。
スクールキャンプがスタートするのも3年生からのところが多いようです。
そして3年生で忘れてはいけないのがNAPLAN、日本でいう全国模試のようなものが行われます。
学習内容と特徴
プレップからGr2までに習ってきた、小学校低学年に習う基礎の総まとめ、それからこれから高学年に向けて低学年で習ったことの応用へと移り変わっていきます。
英語ではNarrative Writing を始めポエムなどいろいろなタイプの書き方を習い、今までよりも文章を長く書くようになっていきます。算数では掛け算だけでなく簡単な割り算も登場してきます。
Grade 4(4年生)
今まで低学年でやってきたことよりも、より授業の内容も濃くなっている印象です。
お勉強面で躓(つまず)きやすいのもこの時期が一番多いようです。
うちの息子が英語で躓いたのも4年生の時でした。
っというのも3年生の時にコロナが始まり、ほとんど自宅学習になってしまったのが原因だったようです。
下にうちの息子がライティングに躓いたときに紹介してもらった参考書について書いた記事があるのでぜひ読んでみてくださいね。
学習内容と特徴
Readingでは文章を読みながら先に起こるであろうことを予測し読めるようになっていきます。また分からない単語が出てきても文章から意味を推測できるようにもなってきます。Writingでは文章にパラグラフを入れたり、あらすじ、段落、文章構成を考えながら書けるようになってきます。
算数では分数の計算を始め面積を求めたり、角度や座標を求めるような問題なども入ってきます。
オーストラリアの私立小学校
オーストラリアで私立の小学校に子供を入学させる場合、スカラーシップ(奨学金、学費の一部が免除されます)を狙っている人以外は、Waiting List に名前を載せないといけません。
Waiting List に名前を載せる際も学校によって異なりますが$100+かかるところがほとんどです。ちなみにこのWaiting Listへのエンロールメントにかかった費用は戻ってきません。
うちの子供だちは2人とも私立の幼稚園に通っていました。その時は子供が1歳の頃にはもうWaiting Listに載せていました。人気のある幼稚園は子供が産まれるのが決まった時から登録する人もいるそうですよ!
また、ほとんどの子達が幼稚園から小学校に入るので、小学校から入るのはなかなか大変になります。
それでも、私たち家族のように幼稚園は私立に入れて小学校は公立に行くケースもあるので、ゼロではないと思いますが、大変なことは間違いありません。
セカンダリーから私立に入れたい場合ほとんどの人が小学校に入る段階でセカンダリーのWaiting List に登録しています。また7年生(中学1年生)から入るよりも5年生から私立に移動する子が多いイメージです。
私立の小学校のWaiting List は早い者勝ちではあるのですが、すでに兄弟/姉妹が在校している場合やご両親のどちらかが卒業生だったりするとWaiting Listの上位に入ることができます。
学校の費用など授業科目などの詳しいことはページ最初の方の青でハイライトした『オーストラリアの小学校』で詳しく説明しているのでそちらからチェックしてみてくださいね。
もっと詳しい私立小学校(体験談)についてはこちらに記事を書いているので、
覗いてみてくださいね。
Grade5(5年生)
5年生では、また3年生の時にやったNAPLANが行われます。またセカンダリースクールのスカラーシップを受ける子達(勉学、スポーツ、ミュージック、アートなど)は5年生の時に試験や面接がありその後、合否も5年生のうちに出ます。
また5年生の最後には翌年のリーダーシッププレゼンテーションがあります。
スクールキャプテン、ヴァイスキャプテン、ハウスキャプテンまた、ジュニアスクールカウンシルからミュージック、アート、ITなどのサブジェクトのキャプテンが選出されます。
これはそれぞれの生徒が自分のアピールポイントなどを発表し、生徒、それから先生たちの投票で選ばれるようです。
この時期には親だけでなく、子供同士でもセカンダリースクールどこに行くのか?の話題で持ちきりのようです。
学習内容と特徴
学習内容としては、算数は少数、分数、百分率などが中心になってきます。英語では文章の理解力、読解力を求められるようになります。Writing ではPersuasiveのWriting が多くなっていきます。Narrative Writingは物語を書いていく感じなので、子供たちも割と楽しく書くことができますが、Persuasiveはより説得力のある文章を求められるようになります。
この年齢の子供達になると、大体自分の得意な分野を見つけている子が多いように思います。
なので5年生になると2学期頃にセカンダリースクールのスクールツアーやオープンスクールがあるので、この時期からお子さんに合った学校を見始める方が多いようです。
Grade 6(6年生)
いよいよ小学校最後の年に突入です。6年生になると1年を通してイベントが盛りだくさんになります。
ほとんどの学校で行われているBuddy System(プレップで入ってくる生徒に対して1人ずつ6年生のBuddyがつき、プレップのお世話をする仕組み)リーダーシップスキルを身につけることを目的に行われています。
6年生のイベントの中でもスポーツ好きな子達が楽しみにしているのはInterschool Summer/Winter Sports
生徒たちはSummer /Winter Sportsの中から1つずつ選び学校の試合に参加することができます。
学習内容と特徴
学習内容としては人前でスピーチをしたりグループディスカッションなどを通して相手に理解を求める会話方法を学んだり、シチュエーションにあった話し方を学んだりします。Readingでは文脈や目的が読者にどのような影響を与えるのかを学びます。Writingでも引き続きNarrative, Persuasive, expositoryを学びますがより、高度な単語選びや比喩的な言語を使うようになります。
算数では足し算、引き算、掛け算、割り算はもとより三角数や素数、少数、パーセンテージなども習います。
まとめ
ビクトリア州にある公立小学校のプレップから6年生までの学習内容、特徴などを書いてきましたがいかがでしたか?
今回は一学年ごと短くまとめていましたが、他にもビクトリア主催で行われている学業のイベントはたくさんあります。リーディングチャレンジなどはうちの子供達のお気に入りのイベントの一つです。
また学校のイベントとしてはスクールコンサート、クリスマスコンサートなどもあります。
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