前回は現代の子供達がなりたい職業とその職業につくまでの過程、それからその職業の平均年収について書いてきました。
子供達がなりたい職業は時代背景にあった新しい職種が出てきている中、
未だ私たちが子供の頃になりたかった職業(学校の先生やお医者さんなど)もリストの中にたくさん入っていて、なんとなく安堵しました。
ところで皆さんはオーストラリアの高額納税を納めている職業がなんだか知っていますか?
税務省が2021年版の高額納税者職業リストを発表しました。
今回はオーストラリアの高額納税を収めている職業について、詳しく解説していきたいと思います。
2021年の高額納税者の職業リスト
こちらがオーストラリアの2021年度高額納税者職業リストになります。ちらほら子供達がなりたい職業ランキングの職種が入っていますね。
聴いたことはあるけど、どんな仕事なんだろうって仕事もありますよね。
ここからは一つ一つの職業を掘り下げていきたいと思います。
- Surgeon – $394,303
- Anaesthetist – $386,065
- Internal Medicine Specialist – $304,752
- Financial Dealer – $275,984
- Psychiatrist – $235,558
- Other Medical Practitioners – $222,933
- Judicial or Legal Professionals – $188,798
- Mining Engineer – $184,507
- CEO or Managing Director – $164,896
- Engineering Manager – $159,940
Surgeon 外科医
外科医になるためには大学でMedical Bachelorを4−6年勉強して
インターンシップを2−3年
その後Fellowship of the surgeonsを5−8年やってやっとなれる職業です。
最低でも11年勉強しないとなれないんですね。
実際11年で卒業できる人ってかなり優秀な人なんでしょうねー!!!
仕事内容
どんな人が外科医に向いているのか?
外科医の仕事は常に細かい作業の積み重ねになります。
適応能力
予期せぬ事が起きた場合でも冷静に物事を考え最後までやり遂げられる。
スタミナがある
予測不可能な手術では体力また精神的な持久力も大切になります。
チームワーク
外科医の仕事は1人では絶対にできません。周りと助け合える。
学び続けられる
医療は日々進歩しているので、常に学び続けることが必要になります。
欠点があるとすれば、
- 外科医になるまでに時間がかかり学費もすごく高い。
- 高ストレス
- 医療加護訴訟に遭遇する可能性が高い。
ドラマなどでみる外科のお医者さんはかっこいいなーっと思うのですが、やっぱり外科医になるまでにたくさん、勉強しているんですねー。
お給料がいいのは当然だと実感しました。
Anaesthetist 麻酔科医
麻酔科医になる場合も外科医と同様に
大学でMedical Bachelorを4−6年勉強して
インターンシップを2−3年
その後Fellowship of the Anaesthetist Trainingを5年やってやっとなれる職業です。
最低でも11年勉強しないとなれないんですね。
仕事内容
どんな人が麻酔科医に向いているのか?
予期せぬ事が起きた場合でも冷静に物事を考え最後までやり遂げられる。
スタミナがある
予測不可能な手術では体力また精神的な持久力も大切になります。
チームワーク/コミュニケーション能力
麻酔科医の仕事も1人では絶対にできません。周りと助け合える。
意思決定能力
麻酔の実践は知識、技術的スキル、臨床的判断を融合させており、圧力がかかっている間に意思決定を迅速に行わなければなりません。
- 外科医は患者さんに出頭医として覚えてもらえますが麻酔科医は患者さんが覚えていることはほとんどありません。
- 予測できないスケジュールなので年配になると離脱率が高い。
- 患者さんを治療のため入院させて病院にお金を作る医師と違って、麻酔科医は自分の患者を持っていないため給料の交渉はほとんどできない。(とはいえ、麻酔科医の給料はもともと高いです)
欠点で書いているように麻酔科医のお仕事はすごく不規則で年配になると離脱者が多いとはありますが、その知識を活かしてレクチャーになったりする方が多いようです。それはそれでいいですよね。
Internal Medicine Specialist 内科医
内科医になるためには大学でMedical Bachelorを4−6年勉強して
インターンシップを2−3年
その後Fellowship of the Internal Medicineを5−8年やってやっとなれる職業です。
最低でも11年勉強しないとなれないんですね。
Internal Medicine specialist のことをInternist(インターニスト)と呼ぶれることがあります。
仕事内容
診察や検査の結果を総合的に判断して病名を診断するし、治療法や投与する医薬品を選択する。
インターニストは、臓器系のいずれかが関与する疾患を診断および管理して、進行してしまった病気や、複数の疾患に苦しむ重病患者を管理します。
内科医は患者を直接、往診して診断するので、患者さんに寄り添えるコミュニケーションスキルが必要とされます。
誠実さ
いくら知識を知っていても患者さんからの信頼をえられない医者は優れた医者とは言えません。
学び続けられる
外科医と同じように医療は日々進化しているので、常に学び続けなければなりません。
- 内科医になるまでに時間がかかるうえ、学費が高い。
- 夜間、週末、および休日も働く必要がある。
- 病気の患者さんと関わるのでストレスの多い仕事
外科医と同じで、お給料がいいのは納得なお仕事ですよね。3位まで全てが医療系なのはそれだけ、その職につくのが難しいことを物語ってますねー。
Financial Dealer 金融ディーラー
金融ディーラーおよびブローカーになるには、通常、3年間大学で商取引(commerce)、会計(accounting)、金融(finance)、経済学(economics)、または保険数理(actuarial)の学位を取得する必要があります。
また、ダブルディグリーを取得すると就職への近道になるようです。
ダブルディグリーを取得する際は関連サブジェクトがいくつかあるのでその場合はクレジットがつき、通常よりも早く終わらせることができます。なのでトータルで勉強するのは5年間くらいです。
仕事内容
「買い」と「売り」の注文を記録して取引コストを算出する。
クライアントのための適切な投資のリストを作成する。
どんな人が金融ディーラーに向いているのか?
まず金融に興味がない人はこの仕事に向いていません。
コミュニケーションスキル
クライアントとの信頼関係を気づかないといけないので、コミュニケーションスキルは必須です。
コンピュータースキル
分析や計画をすることが得意
欠点がありとすれば、
- 業績は明確に数字に表れ、評価され、給料と直結している。
- 働く企業によっては他国のこともあるので時差があり働く時間が不規則になる。
医療系じゃない職業で入ってきたのが金融系
やっぱり高収入なだけあってダブルディグリー必要なんですね〜。競争率も激しいようで、会社も学歴をみてくるところが多いようです。
Psychiatrist 精神科医
通常精神科医になるためには大学で4−6年間メディカルを勉強して、
インタンシップ2年その後
サイキアトリーを5年間勉強する必要があります。
他のスペシャリストドクター(外科医、内科医など)と同じように最低でも11年は勉強しないといけません。
サイキアトリストは精神科医なのでお医者さんです。病気を診断し、管理して、複雑で深刻な精神疾患の患者を治療し、薬を処方することもできます。
サイコロジストは心理学者。心理療法(トークセラピー)を提供することに焦点をあて、患者さんの心の声を聞きます。薬を処方することはできません。
サイコロジスト(心理学者)が医者ではないというところは分かりましたが、サイコロジストも最低6年は大学で勉強しないとなれない職業でクリニックで働くサイコロジストの平均年収は$108.583/年、決して悪くはないですがサイキアトリストの年収の半分くらいになります。
仕事内容
どんな人が精神科医に向いているのか?
とにかく我慢強さを求められる仕事です。もしこの我慢強さが欠けている場合はこの仕事は完全に向いていません。
どんな状況下でも落ち着きを保つことができる
色々な精神状態の患者さんと会話をしないといけません。感情的にならず、いつでも冷静でいられることを求められます。
徹底的に話の聞き役に回ることができる
- この職業につくまでに時間がかかり学費も高い。
- 治療法が見つからない可能性のある患者とも向き合わなければいけない。
- 他のスペシャリストよりもワークバランスが良いように思われがちですが、基本的にオーバーワークをしていることが多い。
コロナ禍も相まってこの職業の需要はかなり高まっているように思われますね。
大変だとは思いますが、人の心に寄り添える職業はやっぱり素敵ですね。
Other Medical Practitioners
その他のメディカル開業医には
- dermatologists(皮膚科医)
- obstetricians(産科医)
- pathologist(病理医)
- dentist(歯科医)
- radiologist(放射線科医)
- optometrist(眼科医)
などの職業が含まれます。他の医療系の職業と同様に大学でそれぞれの学部に分かれて、コースを行いまた、それぞれの学科でインターンがあります。
オーストラリアで、医療系の学部を勉強するためには、yr12を終えている必要があります。
その後大学で最低5年間医学について学ぶ必要があり、医療者として働くためにはインターンを終えMedical Board Australiaに登録しなくてはいけません。
たくさんある医療系学部の中かならどのようにコースを選ぶのか?すごく気になりますよねー!!
下で詳しく説明していきますね。
コースを行う上で最も重要視していることは何か?
2)費用
3)興味のあるサブジェクトたくさんのオープンスクールを体験する。
4)もし可能であればその職業の人と話をしてみる。
5)興味のあるコースを4−5個に絞り込みます。
6)自分のことをよく知っている人に相談してみる。
(意外と自分の知らない自分を知ることができます。)
7)そのそれぞれのコースの長所と短所を書き出してみる。
欠点があるとすれば、
- とにかく学費が高い
- 医療訴訟に会う可能性がある
- ストレスが多い
医療系に進めば、将来的になくなることはないと思うので安泰かと思いきや、意外と職に空きがなかったり、田舎の方で働くことになったりすることもあるようです。
Judicial or Legal Professionals
司法や法律に関わる仕事の中には
- Judges(裁判官)
- Magistrate(行政官)
- Tribunal Member(審判)
- Layer(弁護士)
などが含まれます。
オースラリアで司法、法律に関わる仕事をするためには、州知事、連邦知事、または司法長官によって任命されます。その資格を得るためには大学で4年間法律について学び、その後ライセンスを取得するまでに、実務経験を最低でも8年間必要とします。
仕事内容
罰則と判決の決定
朝廷によって解決がされない場合の仲裁
法律、憲法、議会の問題について政府に助言することができる。
知的財産などのアドバイス
民事及び刑事の要約事項における議論の証拠の聴取及び評価
どんな人が司法や法律に関係のある仕事に向いているのか?
物事の長所と短所を見つけだし問題を解決することができる
論理的に物事を考えることができる
口頭理解、文章の読み取り、また文章力
説明を聞いたり、文章を読んだりすることが多い上、相手を理解/ 納得させる文章力も必要です。
欠点があるとすれば、
- 自分のやりたいこととは関係なくクライアントの仕事につかなくてはいけない。
- 常に問題ごとを抱えている状態なのでストレスが多い。
- 職業につくまでに長く勉強をしないといけない。
特にこの職業の問題点としては他の職業よりも年齢層が高いので、職業回転率が悪く卒業してもすぐに仕事につけないケースがあるようです。長くたくさん勉強してすぐに職につけないかもしれないってのは大変ですね。
Mining Engineer 鉱山技師
鉱山技師としてオーストラリアで働く場、4年間大学でBachelor of Engineering degree のmining or geotechnical engineeringを取得する必要があります。
その後最低2年間の現場経験を積むとMining Engineerとして働くことができます。
仕事内容
プロジェクトの実現が可能かの調査
鉱山設計
運用計画
鉱山閉鎖の計画への執行
全ての段階にかかわて仕事をします。
どんな人がMining Engineerに向いているのか?
問題の特定、分析、解決ができる人
コミュニケーション能力
創造的な人
コンピューターを使って設計をすることが得意
欠点があるとすれば、
- 仕事柄Miningのある場所で長い時間働くことになる。Miningのある場所は都会から離れていることが多く、家族がいる場合は単身で働くこともある。
- 州を離れたり、国を離れたりすることも多々ある。
室内で働くよりも外で働きたくて、アウトドアが好きな人にはサイコーなお仕事ですね。キャリアを重ねるうちに海外でも働けるようになったり、この職業は合う合わないがはっきり分かれそうですね。
CEO or Managing Director 最高経営責任者
大学でBachelor degree in business もしくは economics を取得し、 Master of Business Administration (MBA) の取得が必要になります。
その後リーダーシップ能力を活かし幅広い実務経験をつみ、会社で昇進することによりCEOの職に近づきます。中小企業では10−15年の経験を積んでCEOに慣れることもあります。
大企業であれば最低20−25年の経験を必要とします。
また大学でMBAを取得しているからといってCEOになれるわけでもなくなかなか狭き道な上、ビジネスにおける多様な経験また、素晴らしい学歴も必要になってきます。
仕事内容
ビジネスの戦略的計画と予算の作成から、財務、リスク評価、コンプライアンス、成長の見通しなどに関する正確でタイムリーな情報を取締役会に報告します。
どんな人がCEOに向いているのか?
チームワーク力
オープンマインド
親しみやすさ(信頼されやすい)
判断力、創造力、立ち向かう精神力
欠点があるとすれば、
- 常に会社の顔であること意識してないといけない。
- 会社内、会社外から訴訟を起こされることがある。
- 常に圧力と批判にさらされ、ストレスが多い。
もしあなたが、今までにかつてなかったようなことを生み出せる人で、CEOに必要なクライテリアを満たしているのであれば起業してCEOを目指すのも一つの手ですよね。
Engineering Manager 技術管理者
Engineerって職業はよく聞くんですがいまいちよく理解していませんでした。っというのもEngineerの職の幅が広すぎて何をさしてEngineerと言っているのかがわからなかったんです。
実際Engineerって言葉を調べてみると
自然科学、工学、数学、化学、物理学などを応用して人間の生活に役立てる技術を持っている人
-
Summy
なるほどーー生活や環境を豊かにするための職業なのか!
そこでどんな職種があるのか調べてみました。
Aerospace Engineering(航空宇宙学)
Agricultural Engineering(農業工学)
Chemical Engineering(化学工学)
Food Engineering(食品工学)
Pharmaceutical(製薬)
Production(製造)
Civil Engineering(土木工学)
Geotechnical Engineering(地盤工学)
Structural Engineering(構造工学)
Transport Engineering(交通工学)
Coastal and Ocean Engineering(沿岸及び海洋工学)
Electrical Engineering(電気工学)
Electronics & Telecommunications Engineering(電子通信工学)
Environmental Engineering(環境工学)
Software Engineering(ソフトウェア工学)
これはほんの一部で他にもまだまだたくさん工学がつく職業がいっぱいあります。
通常Engineerの職業につくには、コース(なりたいエンジニアの職種)にもよりますが大学で5−6年Bachelor/Master of Engineeringを学びます。また、在学中にエンジニアリングのインターンシッププログラムにも参加しておくとたくさんの経験を積むことができます。Engineers Australiaのメンバーシップは卒業と同時に取得できますNational Engineering Register (NER)にも登録することができます。
仕事内容
どんな人がエンジニアリングマネージャーに向いているのか?
協調性
変化を受け入れられる人
共同作業が得意な人
欠点があるとすれば、
- 常に新しいテクノロジーをアップデートしなければいけない。
- 自分で会社を持つのが難しい。
- プロジェクトの成果や結果が出るまでに時間がかかる。
将来的にElectrical Engineering(電気工学)Electronics & Telecommunications Engineering(電子通信工)Software Engineering(ソフトウェア工学)などの分野が伸びてきそうな感じがしますね。
まとめ
いかがでしたか?今回はオーストラリアの税務署が出した高収入職業リストから、一つ一つの職業を掘り下げて分かりやすく解説してみました。
高収入を得る仕事なだけあって大学で専門的な勉強をたくさんしないといけない職業が多かったように思います。
皆さんはどの職業に興味がありましたか?
私は私たちの生活や環境を豊かにするEngineerの仕事がとても興味深かったです。
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